造形の幅を拡げる空冷式3Dプリントペンとその応用

当初は、3Dプリントペンのヒーター機能を活用して、洋菓子の飾り付けなどで作られる立体形状の糸飴(シュクレフィレ)を、手で自由に描いて作ることを目指したSugarPenの開発を試みました。糸飴は、通常だと高温に熱した溶融砂糖をスプーン等で素早く散らすなどして作ります。作り方は幾通りかありますが、作成できる形状や大きさには制限があります。SugarPenでは、その制限をなくして自由形状で作成することを目的としています。そのための機能として、ペン先のヒーターで砂糖を溶融して出力すること、出力された溶融砂糖をペン先付近のノズルから出力されるエアーで強制冷却して瞬時に凝固させること、この2つで実現できると考えています(下記イメージ図参照)。これらのことに対しては、液糖をヒーターで熱して飴色で出力できること、通常のPLAフィラメントをエアーで冷却して短時間で凝固させて立体形状が作れること、までを確認しました。


SugarPenイメージ

この後、エアー冷却機能の効率化に取り組み、より柔軟にそして高速に3Dペンで自由な造形を行うための空冷機能付き3Dプリントペン CoolingPen の開発に注力しました。ここでは、3Dプリントペンの先端部に取り付けるエアーノズル込みのアタッチメントを3Dプリンタで作成することを中心に取り組んでいます。ペンの先端部からは4方向にエアーを噴出させ、エアーによるフィラメントの偏りを減らしながら効率良く冷却するよう、改良を行いました。またエアーの冷却装置も利用することで、SugarPenよりも高速にフィラメントを凝固させることができ、より複雑な図形が空中で描けるようになりました。


SugarPenの動作の様子


CoolingPenで空中に矩形を出力した例


CoolingPenで空中に螺旋を出力した例


作成したエアーノズルの3Dモデルとエアーの出る様子


3Dプリンタで試作したノズルパーツ達

対外発表
  • 戸﨑 崇文,平井 重行, SugarPen:糸飴による任意立体造形のための3Dプリントペン, 情報処理学会インタラクション2020, インタラクティブ発表 1A-06, pp.199-202(2020)
  • 作品展示・メディア取材・出演など
  • Maker Fair Kyoto 2021でのCoolingPenのオンライン展示(2021)
  • 月刊I/O2020年7月号の記事「Maker Fair Kyoto 2020 Online レポート」(p7-9)でのSugarPenの紹介(2020)
  • Maker Fair Kyoto 2020でのSugarPenのオンライン展示(2020)