Maker Fair Kyoto 2020 Online
京都産業大学 情報理工学部 平#研 作品発表特設ページ

  1. 人工大理石透過型LEDディスプレイとそのタッチインタフェース化の試み
  2. SugarPen: 糸飴を自由に作ることを目指した3Dプリントペン

この2作品について掲載しています。


人工大理石透過型LEDディスプレイとそのタッチインタフェース化の試み

 キッチンや洗面台、浴槽などに使われる樹脂素材の一種「人工大理石/人造大理石」は、光を拡散・透過する特性があります。その特性を利用して、キッチンなどの天板の裏側にLEDマトリクスを配置し、視覚ディスプレイとして応用する取り組みを行っています。多少、光や色は滲んで表示されますが、そこでは生活や料理の関連情報を表示したり、ゲーム的なことを表示したり、何か演出したりなど、いろいろと応用ができます。さらに、赤外線LEDとフォトダイオードを用いることで、人工大理石を介した赤外線方式タッチパネルを構成することも可能です。現時点では、LEDマトリクスディスプレイと赤外線タッチ検出機能は別回路ですが、今後はそれらを統合し、一つのLEDマトリクスパネルでディスプレイとタッチ検出の両機能が使えるようにする予定です。それが実現すると、既存のキッチンなどの天板裏の隙間にパネルを入れて、キッチンや洗面台を埋込みタッチディスプレイと変化させて新たなIoT(Internet of Things)の形を示すことができると考えています。ディスプレイの映り具合や、タッチ検出できている様子は動画をご覧下さい。


Sugarpen: 糸飴を自由に作ることを目指した3Dプリントペン

 洋菓子の飾り付けなどで作られる糸飴(シュクレフィレ)は、高温に熱した溶融砂糖をスプーン等で素早く散らすなどして作ります。ただその作り方や材料の熱の関係で自由な形状が作れません。3Dプリントペンのヒーター機能やペンで立体形状を描くという使い方からヒントを得て、糸飴を自在に作ることを目指したSugarPenを開発しています。機能としては、ペン先のヒーターで砂糖を溶融して出力すること、出力された溶融砂糖をペン先付近のノズルから出力されるエアーで強制冷却して瞬時に凝固させること、この2つで実現できると考えています(イメージ図参照)。現時点では、液糖をヒーターで熱して飴色で出力できることを確認したこと、通常のPLAフィラメントをエアーで冷却して短時間で凝固させて立体形状が作れること、は確認できています。ただ、必要な機能の基本的なことは確認できている程度でして、まだ自由に糸飴形状が作れるわけではありません。すみません…。今後はそれらを組み合わせて本来の目的が実現できるように改良を重ねていく予定です。ペン先での飴色の液糖の出力や、エアーでのフィラメント凝固による立体形状作成の例は動画をご覧下さい。


今回のMaker Fair Kyoto 2020では、これらの2つの研究プロジェクトで作成しているものを展示予定でした。これらに限らず、弊研究室ではMaker Fairで展示するとよさそうな数々のものを他の研究プロジェクトの中でも試作してきています。それらは当サイトの研究プロジェクトのページにいろいろと載せていますので、もしよければぜひご覧下さい。