Maker Fair Kyoto 2021 Online
京都産業大学 情報理工学部 ファブスペース
(出展のうち平#研の作品特設ページ)

このページは、Maker Fair Kyoto 2021における、京都産業大学 情報理工学部 ファブスペース RE:DIRECTIONの出展の一部として、平#研の研究でファブスペースを利用して製作したものを紹介します。具体的には、次の2つの作品について掲載します。

  1. 人工大理石透過型LEDタッチディスプレイ
  2. CoolingPen: 空冷による造形高速化3Dプリントペン

人工大理石透過型LEDタッチディスプレイの試作

キッチンや洗面台、浴槽などに使われる樹脂素材の一種「人工大理石/人造大理石」は、光を拡散・透過する特性があります。その特性を利用して、キッチンなどの天板の裏側にLEDマトリクスを配置してディスプレイ化します。加えて、赤外線を利用してタッチ検出する機能も同居させたLEDマトリクスデバイスを提案し、試作しています。

昨年にMaker Fair Kyoto 2020でオンライン展示した際は、この赤外線でのタッチ検出機能だけの試作回路とLEDマトリクスは別でした。今回はそれを同居させたデバイスを作成したので展示します。視覚ディスプレイとしては、光や色は少々滲んで表示されますが、生活や料理の関連情報を表示したり、ゲーム的なことを表示したりといろいろ演出ができます。そして、その同じマトリクスデバイスでタッチ検出できたり、置いた物の範囲を検出できるようになるなど、デバイスとしては進化しています。最近は、それをプリント基板としても実装し、面積拡大や薄型化へ向けた試作を進めており、チップパーツ化(薄型化)も検討中です。住宅にある既設のキッチンや洗面台を、埋込みタッチディスプレイと変化させ、新たなIoT(Internet of Things)の形を示す技術について、ぜひ動画をご覧下さい。


作成したLEDマトリクス(青色:IRLED、黒色:Photodiode)


試作システムの構成図


試作プリント基板(実装前)


アプリケーション例


CoolingPen: 空冷による造形高速化3Dプリントペン

 昨年のMaker Fair Kyoto 2020では、3Dプリントペンのヒーター機能を活用して立体形状の糸飴(シュクレフィレ)を描いて作ること目指したSugarPenの動画を公開しました。その時、ペンに追加したノズルからエアーを噴出させ、材料の冷却を試みていました。今回のMaker Fair Kyoto 2021では、糸飴(砂糖)ではなく、通常のフィラメントの出力を前提に、エアーノズルを改良して、より柔軟にそして高速に3Dペンで造形するための空冷機能付き3Dプリントペンの開発についてオンライン展示します。3Dプリントペンの先端部に取り付けるエアーノズル込みのアタッチメントを3Dプリンタで多数試作しました。先端部からは4方向にエアーを噴出させ、エアーによるフィラメントの偏りを減らしながら効率良く冷却するよう改良を行いました。またエアーの冷却装置も利用することで、SugarPenよりも高速にフィラメントを凝固させることができ、より複雑な図形が空中で描けるようになりました。


作成したエアーノズルの3Dモデルとエアーの出る様子


3Dプリンタで試作したノズルパーツ達


空中で矩形を出力した例


空中で螺旋を出力した例


Maker Fair Kyoto 2021では、情報理工学部ファブスペースの展示ブースにて、これら2つの作品を展示予定でした。これらに限らず、弊研究室ではMaker Fair向けなモノやシステムを研究開発しています。過去にMaker Fairで展示したものも含め、当サイトの研究プロジェクトのページにいろいろと載せていますので、ぜひそちらもご覧下さい。